一色のテーブルは、生産性を上げるか? – まだ現出していないものを、カタチにする
南仏リヨンで出会ったテーブル。
天板が革張り。
ストーン色のテーブルを探していたのだが、予想外に良い。
奥側半分にウッドを残している点も、面白い。
◯木目は適度なバックグラウンドか
ウッドのデスクだと、木目がある。
頭が動く際に、木目が視界で動き、適度なバックグラウンドになる。
完全な静寂より、沢の流れの音がある方が落ち着くことって、ありますよね。
テーブルが灰色一色だと、脳が、視界の中でノイズを探しに行くことも懸念される。
地平線に逃げ水の影を見てしまうように。
◯一色のテーブルが合っていた時代
デスクワークが、銀行の経理に代表されていた時代。
同質な数字が並ぶ中、タイプミスを発見する際は、グレーのオフィスデスクも合っていたかもしれない。
でも今は、スウェーデンからSpotifyが生まれる時代。人口は、日本の1/10以下と少数精鋭。
情報社会〜エンタメ社会〜GNH社会では、最適なテーブルも変わっているかも?
◯自然なパターン
合皮の均一性が懸念されたが、意外と良さそう。
数分間座ってみたが、特に脳がノイズを探しに行く感覚も生じない。
無機質なグレーと異なり、わずかに凹凸があるためか。
ベジタブルタニングのようなランダムさがあっても、似合いそう。
ストーン1色より、グレーとワインレッドのミックスなど。
冬眠していた熊を、腸を傷つけないように、さばく時。
◯まだ現出していないモノを、彫り出す
この新しいデザインで、900€とは、格安。
奥側のウッドの天板は、上に開き、キャビネットになっている。手前の引き出しを短くでき、奥まで手が届かない、ということもない。
天板は74cmとの表記だが、ウッド部まで含めると1mほどの広さがある印象。
ノートパソコンを開いて、手前にA4用紙を広げても、まだまだ余裕がある。
視界にPCが入らず、森の中の情報処理モードから、石器を彫り出すモードに入り込める。
「まだ現出していないものを、カタチにする」
そんな時は、こういうテーブルの方が、合っているかもしれない。
Beckett 899€
◯あえて改善案
ナナメのラインは、無くても大丈夫そう。
(1) 脚の先を、視界に入れない
脚は垂直に。
頭が動いても、大きなモノが飛び込んでこない。
奥側の脚も、背面に設置する方が良いでしょう。手前に体重をかけても、コーヒーをこぼさない安定感が生まれる。
(2) 前面の革のテーパーも、フラットでも大丈夫
BMWの革のシートか、空港の搭乗口のベンチか。
クールだったかもしれないが、Facebook以降は、無くても構わないモノ。
バウハウスの精神で、フラットに作るのが出発点。
(3) 真ん中の引き出しを、敢えてフラットに設ける
写真は、真ん中の引き出しを作っていない。
伊集院光 体型でも、ネコや膝掛けなど置きながら、モノを描けるかもしれない。
脇の引き出しは、ナナメになるだろう。
しかし、町田康のように猫を飼っていなければ、フラットに引き出しを設けるのが、やはり出発点。
2と3を両方フラットにすると、革の割に冷たくなりがちだが、前端に少しRを残せば、大丈夫でしょう。
◯それでもほしくなる
天板が革なので、柔らかい。
編み物や縫い物にはピッタリ。
でもそのままでは、A4用紙にエンピツを走らせにくい。
それでもほしくなる。
アクリルの板でも、合わせたサイズにカットして、置いておくと良さそうです。
グレー系の革やストーンで、生産性が上がるかどうか。しばらく意識してみようと思います。
あらためてBeckett。
オススメです。
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