ネパール・チベット自転車ツーリング

チベットを自転車で走ってみたい。
まだ雪の残る3月、ネパールのカトマンズへ飛んだ。
困難が待ち受けているとは知らずに。。。
ネパール自転車ツーリング

カトマンズを出発。チベットとの国境の街コダリへ向かう。
街の喧騒から離れ、郊外を少し走ると、穏やかな里がひろがる。
少し山あいに入ると、棚田も広がり、日本の原風景にそっくりで懐かしさを覚える。

国境への中間の街で一泊。
子供は懐っこい。

ヒマラヤの懐に入っていく。
急峻な谷を登る。

コダリの宿。
相部屋となったチベット人の家族と。
このあたりまで来ると、温水シャワーがなく、ポットのお湯とタオルで身体を拭く。
後にチベット側に入ると、トイレットペーパーが置いていないところも。
荒縄が渡してあり、それでお尻をこするようにと。
しかし、他人が拭いたあとの縄を使うのは!?
トイレットペーパーは必須でした。

翌日、中国との国境へ。
しかし、自転車では国境は越えられないとのこと!
前年までは自転車で通過できたのだが。。。
(昔の状況です。最新の状況をご確認下さい。)

カトマンズへ戻って対応を考えることにする。
カトマンズ~ラサハイウェイ

車でのツアーに参加すれば、国境を越えられるとのこと。
旅行代理店に申し込み、自転車持ち込み可能なことを祈る。

無事に国境を越える。
除雪はされているが、雪の回廊となっている。
中国側に踏み入れたとたん、灰色のコンクリートの建造物が増える。
カトマンズの極彩色の寺院や、チベットの5色のタルチョ旗と比べると無機的。
中国化を象徴しているかのようだ。

5000mを超える、ヒマラヤ越えの峠。
タルチョが風にたなびく。
カトマンズ~ラサハイウェイと名付けられているが、非舗装路。
標高が高いという意味では、まさにハイウェイ。
酸素濃度は約半分しかない。
階段を一階上るだけで、心臓がバクバクと脈打ってくる。
また、呼気に炭酸が混じるのだろうか、ゲップをすると炭酸水の味がする。
別世界に来たことを、身体も感じている。

中国側から見たヒマラヤ。

チベット第2の都市、シガツェに到着。

シガツェの市場。
羊を丸ごと売っている。

太陽光を反射させてお湯を温める。
直射日光の強いチベットならではか。
燃料も貴重なのだろう。
木が少ないため、ヤクの糞を燃料にしている。

チベットの首都ラサに到着。

寺院で五体投地に励む人々。
広く仏教といっても、日本とは信仰の度合いが異なる模様。
チベット自転車ツーリング

ラサでツアーは終了。
ここからは自転車で旅をする。ナムツォ湖への峠道に向かう。

こんな装備で走っていました。
- 防寒具
雪山でキャンプ出来ればOK。
シュラフは冬山用。
目出し帽はあった方がいいです。 - 高山病の予防薬 Diamox
国内の一部病院で処方。
カトマンズのタメル地区の薬局でも購入可、との情報も。

宿が無い集落では、小学校に泊めてもらう。
ありがたい。

峠への分岐。
舗装路を離れ、ダート道に入る。
地元の少年たちが、先導してくれる。

いよいよ峠道へ。
ヤクのキャラバンと行き交う。

標高を上げていくと、羊の亡骸が転がっている。
獣にとっても過酷な環境なのだろう。
細菌もいないのか、腐敗が進まずミイラのようになっている。

そんな中にも、遊牧民がテントで暮らしている。

中に招かれ、バター茶をいただく。
しかしこのバター茶というものが、実にまずい。
お茶に乳製品までは分からなくもないが、そこに塩を入れる。
塩分を補給するチベット人の知恵のようだが。
世界を旅する中で、これほどまずいものには出会ったことがない(^^;
皆さんのこの笑顔を前に、そんなことは言えない。
顔に出ないようにして飲み干し、先へ進む。

この日はキャンプ。

峠を後に。
チベットを旅して、こんな環境にも人類は住めるのか、と驚くばかりだった。
厳しい環境にもかかわらず、チベットの人は親切だった。
宿が無い集落では、小学校に泊めていただいた。
分かりにくい雪の分岐道では少年たちが先導し、遊牧民のテントでお茶を頂いた。
相部屋の親子は、静かに穏やかに過ごしていた。
日本を振り返ってみると、蛇口をひねればお湯が出て、スーパーでは何でも売っている。
そのことのありがたさを、あらためて感じる旅だった。
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