日本からバウハウス2.0を産み出すチャンス
南仏リヨン。
Airbnbを使う。
男女2人のシェアハウス。
フランスに下宿したら、こんな感じか。
郊外の街は、日本の団地のようで、むしろ懐かしい面も。
決して高価な作りではないのだが、キラッと光るセンスが感じられる。
◯トイレの床が、面白い
座っていると、妙に落ち着く。
床が、細かいタイル状になっている。
普通、水回りのタイルは、10cm角程度。
ここは、1インチ角程度になっている。
どうして落ち着くのか?
と考えたところ、、、
木の葉や木の実が落ちた、森の草地なのでは?
◯裏革も落ち着く
壁も、味がある。
左の壁は、ワインレッドの下地に、グレーをざっと塗り、ベジタブルタニングの裏革のよう。
やはり、ナチュラルな風合いは、ホモ・サピエンスのDNAに、馴染むんですね。
石器時代の堀床式住居。
断熱のために、毛皮を土壁のカーテンとする。
空気を抱え込むよう、裏革を室内に向けるかも。
シェルのあるダウンと、モコモコフリース。
毛が剥き出しになっていない方が、暖かい。
おおまかに言うと、ナチュラルな風合い、なんですが、こういった仮説モデルまで想定すると、応用が効きそうです/
◯工業化で失われたデザイン
右の壁は、灰色一色で、工業的。
細かな凹凸の表情で、救われているが。
均一だと、かえって落ち着きません。
脳が、ノイズをシグナルとして拾いにいってしまうんですね。
地平線の逃げ水を見てしまうように。
◯どうしてこういうことが、起きるのか?
①工業化によるマテリアルの変化
木、石 → コンクリート、プラスチック
②暗黙のデザインが失われた
同じ木を使う場合も、床には、長い板を使う。
石器時代の堀床式住居。
排水と断熱のため、床に木の幹を敷く。
ヒトは、床面の木は、長いパターンに慣れている。
短い木の板を使えるようになったのは、たかだか数千年前の、鉄器の発明後。DNAは、石器時代のまま。
工業化に際して、なんでも作れるようになり、ヒトのDNAに沿わないモノが、生まれてきてしまっている。
寝室の床は、その例。
木なのに、細かいタイル状にしてしまい、落ち着かない(^_^;
◯バウハウスの負の遺産
バウハウスは、ステータスの象徴の、アールデコの超克。
手工業の時代は、
「装飾 → 加工賃 → 高価 → ステータス」
バウハウスは、工業化に際し、それを否定した。
しかし、金属を多用し、ホモ・サピエンスのDNAにそぐわないマテリアルにしてしまった。
金属を使うのなら、
ヘアラインで、岩山や石器などを表現。
槌目で、石器の加工片を表現することも可能。
鏡面ならば、濡れた沢の流れなどか。
戦闘機のイメージの他に。
◯バウハウス2.0へ
現代は、工業 → 情報 → GNH社会。
ホモ・サピエンスが快適に暮らせる空間が、望まれている。
ウッドや裏革、土壁の質感。
戦国の千利休の黒楽焼も、色を否定し切った、マテリアルで勝負している。
日本を超えるのは、ルーシー・リーさんか?
◯日本発のバウハウス2.0へ
日本から、バウハウス2.0を目指す、チャンスかもしれません/
①デザインの断捨離
↓
②マテリアル感
↓
③バウハウス2.0
◯先ずは、デザインの断捨離から
果物が豊富にある住居は、落ち着きます。
でも日本は、街全体が、九龍城のように、溢れ返ってしまっている。
ホモ・サピエンスが採集や遊牧していた、森や草原は、もっとシンプルです。
◯マテリアル感
空と山と草原。
ヨーロッパの街並みは、ローマの街造りを引き継ぐ。
石と木の作り。
地震の少なさと、劈開しやすい岩盤が、石造りを可能にした。砂の灰色と、木の色で、自然な統一感がヨーロッパ全体に残っている。
街の緑が草地を、石造りの建物が岩山を、見上げた空が石器時代の空を。
EU全体が、ホモ・サピエンスの活動のDNAに、沿っています。
そこに近づくには、やはり、断捨離から。
街がシックだと、その分、家庭内のデザインの違いに、気づけるようになります/
建物は輸出しませんが、家電や車や衣類は輸出しますよね。
GDPも向上します。
◯日本発のバウハウス2.0へ
ただ装飾を廃し、当時のクール感、戦闘機のメタルを多用しただけのバウハウス1.0に対し。
装飾を断捨離し、
ホモ・サピエンスのDNAに馴染む、
マテリアル感を取り戻す。
黒楽焼、漆喰、木の外壁、土間、越前焼。
ルーシー・リーさんは、たった1人で、全てに相当するマテリアル感を産み出しました/
錫の縦の槌目や、藍染めは、まだ越えられていません。
今なら、日本から、バウハウス2.0を産み出す、チャンスですよ/
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