スピーカーの選び方⑤ – 素人でも、3日でBOSEの主任研究者になれる
「昭和の評論家の限界 – 街のカウル屋から、モーターデザインへ」
秋葉原スピーカー巡り、3日目。
◯音はどうやって出すか?
まず、マイクの原理を考えてみる。
音波が振動板を揺らし、後ろに付いている磁石を動かす。
すると、対面に設置されたコイルに、電流が流れる。
(高校のフレミングの法則。磁界がある中、電子が流れていると、電子に力が加わる。同様に、電子がある際、磁界が動くと、電流が流れる)
スピーカーは、マイクと逆方向。
コイルに電流を流すと、磁力が発生し、振動板の後ろに設置された磁石を動かす。そして、音波が発生する。
(なお、大きな永久磁石を固定し、振動板の裏にコイルを設置することもある。無音信号時の、ブ〜ンというノイズを減らす効果も)
◯振動板を、どう保持するか
原理的には、釣り糸で釣っても、大丈夫なはず。
材質が樹脂だと、ギターの弦のように振動が後を引いてしまうので、伸縮しない素材で。
釣り糸をすり鉢状に巡らせると、現状のコーン紙に。
振動板が動けるよう、アコーディオンのようなジャバラ構造になることも。
◯アコーディオン構造が、ジャマをしていないか
JBLのStudio 698の例。
コーン紙の外側1/3が、ゴムになっている。
音を鳴らすと、ゴムでベースの音がつながってしまい、跳ねるスタッカート感に乏しい。
コーン全体を紙にしても、メガホン状のコーンと、釣り糸1本と、どちらが軽やかに反応し得るだろうか?
◯歴史的な構造
どうして、釣り糸ではないのか。
電源を入れた瞬間に、大音量が流れ、糸が切れることを回避する狙いか。
スピーカーは、1925年に発明。
半導体は、四半世紀後に登場。
保護回路無しの時代に、基本構造が決まったか。
◯非コーン型の例
釣り糸そのものではないが、メガホン構造を採らないスピーカーは、存在する。
ドイツのManger。
フラットな振動板が、全面を覆う。
釣り糸を短くしていき、長さゼロにした形とも。
ただし、振動板のゴム性を吸収するために、ダンパーが裏に付いている。これは、アコーディオン構造と同様に、反応を鈍くし得るでしょう。
それでも、ユニットで20万円、システムで200万円の高級スピーカー。その価格をとれるだけの、強みは残っているよう。グレン・グールドのピアノなど、スタッカート感が生命の曲は、迫って聴こえるそう。
やはり、コーン紙のメガホンやアコーディオンが、唯一の解では無いんですね/
◯街のホビーレーサーか、エンジン開発者か
昭和の音楽評論家。
スピーカーユニットの振動板の原理を理解せずに、ユニットの数や、外箱の見た目だけを語っていないか。
アコーディオンのダンパーや、箱の中での共振の影響を、ポジティブなものと誤解して語っている。
特定の曲では許容される影響を、「組み合わせ」と騙ってしまい、一般ユーザーに不要な買い替えを強いている。
カウルだけを変えて満足しているホビーレーサーではなく、モーターを設計するエンジニアになれるのでは?
◯素人でも、3日でBOSEの主任研究者になれる
秋葉原スピーカー巡り3日目。
ヨドバシとダイナミックオーディオで試聴するだけで、解る。
ネットには、一応スピーカー工房の筐体の図面もある。
https://otokoubouz.com/support/tokuten/encyclopedia/1zumen.html
(IDとPWは、otokoubouz)
ユーザーにはSonyやPioneerの社員も居て、そこそこ鳴るよう。ユニットは、市販の安価なものを流用と。
でも、肝は、ユニット自体のはず。
ユニットから試作すれば、これらを超えるモノも、造れるのでは/ (^_^)
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