オーストラリア大陸縦断 – 自転車ツーリング4000km

自転車で海外を走ってみたい。オーストラリア縦断4000km。気がつけば、地球儀に線を描けるほど走っていた。

出発まで

大陸を横断する。その響きに引き寄せられて、飛び出した。


まずは、情報収集。

  • 出発前: 図書館と、在日本オーストラリア総領事館
    さえぎるものは何もない大陸。
    季節毎の風向きを調査。3月は、北から南に走ることに決定。
    結果的に、向かい風は少なく、正解だった。
  • 現地: シドニーの自動車関係の役所
    大陸を縦断するスチュアートハイウェイの地図を入手。
    ルート上のロードハウス(=売店兼キャンプ場)の位置が記されており、重宝。
    平均~100km毎に、ロードハウスがある。
    現在なら、WikipediaのStuart HighwayのJunction情報でOKです。


飛行機で、シドニーから大陸中央のアリススプリングス経由で北端のダーウィンへ。
ここから自転車で南端のアデレードまで縦断する。
しかし、乗り換え時の気温が、40℃超。この灼熱の下を走ることになるのか!?

なお航空券の検索は、Momondoが使いやすいと思います。
運賃のみならず、日程や地域変更時の変化も一覧表示。
有名なSkyscannerよりも使いやすく、フレキシブルに旅を検討したい方は、Momondo一択では。

走り出す – こんな標識みたことない

標識の数字に注目!ロードハウスまでのキロメートル数です。
中間地点のアリススプリングスまで1500km。
この数字をカウントダウンしながら進むことになる。
 

オーストラリアというと砂漠のイメージだが、北部は熱帯。
道路わきに、不思議なオブジェが林立。
人の背丈以上にまで成長したアリ塚。
 

トラブル発生!

路面は、あまりの熱さにアスファルトが溶けたか、荒い舗装。ゴーッと音を立てながら進む。
タイヤが薄くなると、チューブがパンクする。
パンク修理の技術と、スペアのタイヤ・チューブ前後1本ずつは必要です。
 

ダーウィンから300km、2番目の街キャサリンを通り過ぎたところで、後ろの変速機がまっぷたつに折れる。
針金と工具で応急処置をして、街へ戻る。
幸い、キャサリンには自転車屋が一軒あり(当時)、交換して先へ進む。

なお、この後は中央のアリススプリングスまで、ロードハウスのみ。
自転車屋は一軒もありません。
ちなみに信号機すら、アリスにしかありません。


この経験から、次のロードハウスへの中間地点で自転車のフレームが折れる、というケースまで想定して行動するようになった。
水は、朝晩を除く日中で4L飲む。
エリアによっては、3日間無補給で走れるように、最大で20L運んだ。
折り畳み可能のタンクが便利です。

なお交通量は、スチュアートハイウェイ上は1時間に1台程度は車が走っている。
脇の非舗装路に入ると、1日に数台しか出会わない道もある。
万が一の際にサポートを求める可能性として、頭においておく。

旅の友 – ロードハウス

典型的なロードハウス。
 

表のガソリンスタンド。クジャクがお出迎え。
 

中は売店とバー。
食料の買い出しと、軽食の注文が可能。
 

裏がキャンプ場になっている。
水、トイレ、シャワー完備。
 

他のキャンプ客との交流も。
 

夕食: ラム肉のステーキ、トマト缶とコーン缶、食パン。
 

朝食: シリアルと牛乳。

昼食は、ロードハウスを通過する際はハンバーガーを注文。
無補給の際は、ドライフルーツを放り込みながら走った。


なおロードハウスの間隔が200km前後あり、1日で走れない場合は、道端に寝袋を敷いて寝ます。
夜間、車から目につかないように、窪地か灌木を探して陰に寝ます。
晩と朝の水は、直前のロードハウスで汲んでおきます。
10Lの折り畳み式タンクを2個使いました。
 

旅の友 – ロードトレイン

スチュアートハイウェイ上を、ロードトレインなる3両編成のトレーラーが走っている。
全長50m以上はある。
これが、轟音を立てて後ろから近付いてくる。
追い越される際には、風圧で巻き込まれそうになる。
 

こちらは文字通りの列車。
ただし、地平線の彼方まで連なっている。
数えてみると、100両編成以上!

オーストラリアのスケールを感じます。

旅の友 – 動物たち

基本的に砂漠のオーストラリア。
たま~に生き物に出会うと、愛おしく感じられます。

おそろしい形相ですが、、、
 

つかまってしまう、ご愛敬。
 

カンガルーも逃げ遅れる。
 

エミューはすばしこい。
 

山岳地帯で獣道に入り込むと、山羊と遭遇。
 

遭難には気をつけましょう!
 

砂漠の真ん中に現れた水たまり。
そこにはなんとカニが!
 

赤と灰の鮮やかなオウムの大群。
 

鷲は空を悠々と飛ぶ。

地平線へひた走る – 中間地点アリススプリングスへ

アボリジニの聖地Karlu Karluを通過。
 

南回帰線を通過。
熱帯から出発し、地球儀で線を描けるほどに走ってきた。
 

夕闇の中、ついにアリススプリングスに到着。
久しぶりの街の光に、涙が出そうになる。
 

旅で出会った自転車人たち

イタリアからの3人組。
大陸を東西に横断中!
東西ルートは、舗装されていない部分も多く、よりハード。
自転車の後ろにリヤカーを引く工夫をしています。
 

地平線の向こうからやってきた日本人2人組。
別れ際に背中を見ると、Tシャツに僕の故郷の名前が!?
話を聞くと、故郷の街の高校出身とのこと。
こんな海外の砂漠で会うとは!
地球は狭い?
 

オパール鉱山の街、クーバーペディで会った自転車好きの少年。
鉱山で働くお父さんと2人、トレーラーハウスで暮らしている。
小山を駆け下るのが大好き。
転んでも痛みをこらえ、次はできるはず、と何度もトライする姿が印象的。

エアーズロックへ

“風の谷”。
著名なエアーズロックよりも、実はこちらの方が大迫力!
ナウシカのモデルという説もある。

なお他の観光客が少なく、迷いやすかった。
陽が高くなる前、午前中がおすすめかもしれません。
 

赤く燃えるエアーズロック。
東京タワーよりも高い一枚の岩。
なお2019年から登山は禁止されたようです。
 

エアーズロックからスチュアートハイウェイに戻る途中、一台のバンが乗せてくれた。
アボリジニの人たちが運営する旅行会社。
車中で一泊させて頂く。ありがたい。

これまで見たアボリジニの人の中には、補助金暮らしで、昼間からバーでお酒を飲んでいる人も居た。
しかし、彼らの伝統的な生活手段を奪い、そうさせてしまったのは、植民者たち。
偏見をもたないよう、気を付けたい。
 

翌日、ヘリコプターに乗せてもらう。
空から見ると、グランドキャニオンのような地形が広がっている。

ウードナダッタトラック – 砂漠の真ん中へ

一度ダートルート(非舗装路)を走りたいと思い、現地の警察署に状況を聞きにいったところ、止められた。
日本大使館からも電話があり、危険だからやめるように、と。

どうも、前夜オートバイで走行中の日本人が、牛に激突して亡くなっていた模様。
関係者が敏感になっていたようだ。

あらためて、スチュアートハイウェイを離れるダート道を検討する。
クーバーぺディからウードナダッタまで200km。
2泊3日。
水は20L運ぶ。

途中で砂地が出現すると、ペースが落ちる。
その際は、以前に乗せてもらったように、車に乗せてもらう。
水と砂地と交通の有無が、ポイントになる。
 

オパール鉱山の街、クーバーペディ。
岩をくりぬいた家に住む。夏でも涼しい。
こんな家に住んでみたい、と思わせる。
 

いよいよダート道に踏み入れる。
 

ドッグ・フェンス。
動物を、野生化した犬から守るためのフェンス。
全長なんと9600km。
日本列島を4回縦断できます!
 

廃墟を通過する。
 

ダート道に入ると、交通量はぐっと減る。
1日に数台出会う程度。
 
気のいいオージーたち。
キンキンに冷えたビールをもらう。
これまで飲んだビールの中で、一番旨い!
 

2日目、砂地が出現する。
水が重く、タイヤをとられ、押して歩くことになる。
ウードナダッタまで残り20~30kmだが、念のため、通りがかった車にのせてもらう。
 

ウードナダッタ。
人口9人の集落に、パブがある。
生き返る。

山岳地帯から、旅の終着点へ

これまでずっと平原を走ってきた。
あまりの平坦さに、わずか2~3mの起伏も、峠と感じるほど。
坂を登りたい!
フリンダース山脈を目指した。
 

写真で見ると平坦なこの道が、峠に感じられる。

なおカンガルー注意の標識は、車やオートバイにとっては重要。
大きいものでは85kgに達するカンガルー。
夜中に衝突すると、ボンネットの方もダメージを受ける。
車によっては、カンガルーバンパーなる鉄の棒まで付いている。
 

道路の脇を、カンガルーの群れがピョンピョンと飛び跳ねていく。
 

道中知り合った欧米人と、2人で登る。
大地の背骨とでも呼ぶような、スケールの大きい光景が拡がる。

山頂からの下り道。
獣道に迷い込む。
この灼熱の下、遭難か?

内心少しあせりつつも、足を進める。
やがて、元のルートに戻る。
水と非常食は必要です。
 

いよいよオーストラリア大陸南端、旅の終着点、アデレードへ。
100万人都市のアデレード。

旅の途中では、人口が9人の集落などを通ってきた。
ダート道の真ん中では、半径100km、人っ子一人いない砂漠の真ん中で、星空の下寝袋一つで寝た。

これだけの数の人間が、いったいどのようにして生きていけるのだろうか。
文明が存在することの不思議さ、貴重さを、あらためて感じる旅でもあった。

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